Column

デザインから見る「図」と「地」の関係

2017.09.05
デザイン差別化

こちらの絵。どこかで見たことある人も多いと思いますが、

向き合った横顔にみえますか?グラスに見えますか?

 

こうすればどうでしょうか?

答えはどちらも正解です。

 

これは「ゲシュタルト心理学」といわれるもので、
個別の要素を、全体として認識してしまう人間の知覚パターンです

黒い面積を「図」と見たときに白い面積は「地」となり見えなくなります。
逆もしかり。

しかしながらこの二つの要素は同時に存在しないとこの形状を保つことができません。
二つの要素は切っても切れない関係なのです。

つまり、私たちはこの黒の要素と白の要素をひとつのもとして同時に認識しているわけです。

 

私たちがロゴ制作などでデザインワークに取り組む際に、
競合がどのようなデザインを展開しているかを調査するわけですが、

得てして、同じ業界には似たような傾向のデザインが展開されているケースが非常に多いのです。

そもそも同じターゲット層に似たようなサービスを展開していれば
こういった現象は当たり前なわけですが、

そこで一つ有効な考え方がこの「図」と「地」の関係です。

いかに競合から相対的優位性を築き、自社を際立たせ、競合を背景にすることができるか。

これは業界の特色が強ければ強いほど出しやすいものと思われます。
凝り固まったイメージが定着していればしているほど、飛び立たせやすい傾向にあります。

 

たとえば、メグミルク。

牛乳とえいば白というカラーイメージをあえて破り、赤いパッケージデザインを起用し、
当時TVでもこぞってニュースになりました。

たしかに店頭でも多くの白いパッケージが赤いパッケージの引き立たせ役となり、
ひときわ目立っていました。

 

 

商品のイメージをあえて無視した試みは勇気あるチャレンジだと思いますし、
広告業界のマーケッターたちはあの赤いパッケージの牛乳の売れ行きが気になったものです。

結果、販売戦略としては失敗に終わったそうですが、

店頭で目立つという意味では「図」と「地」を活かしたデザイン例ではないでしょうか。

 

決して「図」と「地」を活かせば成功するということではありませんが、

どうすれば黒いオセロの中に一つだけひっくりかえっている白いオセロになれるか。

そういった観点で自社の差別化を検討してみるのも面白いのではないでしょうか。

 

 

 

profile

小山広喜

アートディレクター

小山 広喜HIROKI KOYAMA

元商社マンからニューヨークの広告デザインに憧れ、
異業種のデザイン業界へ転身。
大阪の制作会社を経て、2014年に独立したのち、
2017年6月から株式会社千年治商店の取締役に就任。
生粋の日本酒好き。