Column

「ベンチャー型事業承継」で「34歳未満」にこだわる理由

2017.12.05
ブランディングベンチャー型事業承継事業承継同族経営後継社長親子長寿企業

私が「ベンチャー型事業承継」でこだわっている要素の一つが後継者の年齢です。

 

プロジェクトリーダーを務める近畿経済産業局の事業でも、「U34(34歳未満)」というキーワードで、30代前半くらいまでの後継者をメインターゲットに定めて取り組んでます。

 

そんなわけで「なぜ34歳未満なんですか?」とよく聞かれるんですが、理由は超シンプル。

 

①周囲に応援してもらいやすい

荒削りだろうが未熟だろうが、家業で新しいことに挑戦しようとする20代の若者がいたら、応援したくなるでしょ、普通。これって圧倒的なアドバンテージですよ。

アトツギの新規事業って最大の障壁は先代(親)の反対だったりするんですが、周辺の大人が「まぁ、一度やらせてみようや」ってな感じで、先代を説得してくれたりする(笑)。

40歳近くまで大企業でキャリアを積んで、鳴り物入りで家業に戻ってくるアトツギさんも多いけど、その年齢じゃ誰も助けてくれないし、キャリア積んできた自負があるから失敗できないじゃないですか。

②本業以外に頑張れる気力体力がある

「家業で新規事業を立ち上げたい」ってアトツギが言い出すと、まぁだいたいが、先代(親)や古参の社員さんに、「本業の現場のことも十分わかってへんのに、何が新規事業だ」って言われます。

そんなわけで、昼間は本業頑張って、新規事業は夜間か週末。なんせ20代、一晩くらい寝なくても大丈夫。気力と体力があるって意外に大事。

 

③異業種へのアンテナが高い。

④行動力、フットワークが頂点。

今のU34世代って、少なくとも私たちの世代と全く違う文化の中で大きくなっている。小さなころからどんな情報でもスマホで手に入れることが当たり前。

業界、業態はもちろん、海外など、あらゆるカテゴリで、ボーダレスな情報の中で育っている。一見、家業の業界に関係なさそうなネットワークに身を置くことにも抵抗はない世代。家業の経営資源に掛け算する「something new」は自分で見つけてこないといけないわけですが、大人世代が思いつかない掛け算で化学反応を起こす可能性を秘めている年代です。

 

⑤失敗できる範囲で挑戦できる。

彼らが若いということは、先代もまだまだ現役。会社の経営は先代がしっかり見ているので、会社が窮地に追い込まれる恐れがあるほどの挑戦はそもそもさせてもらえない。失敗できる範囲で「やってみなはれ」的に挑戦できる。この挑戦がたとえ失敗したとしても、彼らの財産になります。失敗から学んだり、小さな成功体験を積み重ねることで、受け身の事業承継から、自分が主役の事業承継になる。

これこそがベンチャー型事業承継の真髄。若いアトツギの小さな挑戦を周囲が応援する社会の実現を見届けたいものです。

 

 

◆近畿経済産業局「ぼくらのアトツギベンチャープロジェクト」

◆近畿経済産業局 「U34限定 ベンチャー型事業承継講座①」

◆近畿経済産業局 「U34限定 ベンチャー型事業承継講座②」

 

◆facebook 「アトツギU34/34歳未満アトツギのためのモヤモヤワクワクコミュニティ」

 

 

 

 

profile

山野 千枝

代表取締役

山野 千枝CHIE YAMANO

専門は広報戦略、ファミリービジネスの事業承継。1969年生まれ、岡山県出身。1991年関西学院大学卒。ベンチャー企業、コンサルティング会社を経て、大阪市経済戦略局の中小企業支援拠点「大阪産業創造館 」の創業メンバーとして2000年より参画。広報主幹、事業部長などを歴任。また2001年の創刊以来、ビジネス情報紙「Bplatz」の編集長として、多くの経営者取材に携わる。

2016年には、会社の歴史を活用した採用戦略や社史制作を手掛ける株式会社千年治商店を開業。また、近畿経済産業局のベンチャーエコシステム構築事業「Next Innovation」では、全国で初めてベンチャー政策の対象に中小企業の若手後継者を定めたアクションプランを提言。「ベンチャー型事業承継」の伝道師として国や自治体と協力し、言葉と定義を日本に定着させるために奮闘中。

「存続力は競争力」をテーマに講演実績も多数。アセアンの経営者を対象に日本の長寿企業文化についての研修などを通して、永続経営の価値を広く伝えている。

◇その他の役職
経済産業省 近畿経済産業局 「Next Innovation」事務局 プロジェクトリーダー
公財)大阪市都市型産業振興センター 広報担当フェロー
大阪産業創造館・大阪イノベーションハブ チーフプロデューサー
「ベンチャー型事業承継」伝道師
関西学院大学・関西大学「後継者ゼミ」 非常勤講師
マイクロ波化学株式会社 広報顧問