Column

親子三代で「未来のために」つくる社史

2017.12.05
ブランディングベンチャー型事業承継事業承継同族経営後継社長親子長寿企業

いま、仕掛かっている社史の仕事が面白いのですよ。

なんせクライアントの親子三代で制作しています(笑)。創業者の会長(70代)、現社長(50代)、そして大学生の息子さん(20代)。

社史を制作するうえで一番最初に行う作業は、会社の沿革や写真の整理です。これはクライアント自身にやってもらわないといけないわけですが、実は最も価値のあるプロセスだったりします。

 

千年治商店では、このプロセスはなるべく世代の違う、複数の方々が一緒になってやっていただくことをお勧めしています。昔の古い写真や、歴史を共有することで、自然に世代間のギャップが埋まっていく貴重な時間。ただ作業としてこなすのではもったいないじゃないですか。

 

今回は、創業者のおじいちゃんと孫のタッグ。最初は面倒くさがっていた会長も、孫があれこれ質問してくるので、だんだん嬉しくなってきたんでしょうね。創業時のエピソードや昔の秘蔵写真の整理に協力的になってくださってます。

 

社史って、会社の未来のためにつくるものだと思うんです。

このお孫さんが、将来、この会社を継ぐかどうかはわかりません。でも、今回、おじいちゃんが創業した当時のエピソードや苦労を直接聞いたり調べたりしたことは、彼の原体験にはなってるはずです。

 

大学の講義でも、「家業の創業当時のエピソードを調べてくる」という宿題を出すんですが、彼らの家業に対する気持ちはこの宿題で大きく変わります。何もないところから事業を始めた創業者がいて、そのタスキをつないできた先人がいて、今がある。

「親のおかげで大きくなったのは当たり前。先人が繋いだ家業が生み出す利益のおかげで大きくなった」

創業者がいまを生きる若者に、こんなことを教えてくれる。タスキを受け取った後継者が「家業を簡単につぶしちゃいけないな」と自然に思えるように準備しておくのは先人の務めかもしれません。

 

 

◆社史制作サービス「HISTORY」が生まれた話

 

profile

山野 千枝

代表取締役

山野 千枝CHIE YAMANO

専門は広報戦略、ファミリービジネスの事業承継。1969年生まれ、岡山県出身。1991年関西学院大学卒。ベンチャー企業、コンサルティング会社を経て、大阪市経済戦略局の中小企業支援拠点「大阪産業創造館 」の創業メンバーとして2000年より参画。広報主幹、事業部長などを歴任。また2001年の創刊以来、ビジネス情報紙「Bplatz」の編集長として、多くの経営者取材に携わる。

2016年には、会社の歴史を活用した採用戦略や社史制作を手掛ける株式会社千年治商店を開業。また、近畿経済産業局のベンチャーエコシステム構築事業「Next Innovation」では、全国で初めてベンチャー政策の対象に中小企業の若手後継者を定めたアクションプランを提言。「ベンチャー型事業承継」の伝道師として国や自治体と協力し、言葉と定義を日本に定着させるために奮闘中。

「存続力は競争力」をテーマに講演実績も多数。アセアンの経営者を対象に日本の長寿企業文化についての研修などを通して、永続経営の価値を広く伝えている。

◇その他の役職
経済産業省 近畿経済産業局 「Next Innovation」事務局 プロジェクトリーダー
公財)大阪市都市型産業振興センター 広報担当フェロー
大阪産業創造館・大阪イノベーションハブ チーフプロデューサー
「ベンチャー型事業承継」伝道師
関西学院大学・関西大学「後継者ゼミ」 非常勤講師
マイクロ波化学株式会社 広報顧問